オホーツクわが愛



著者名
五十嵐均/著


愛、祖国、そして戦い。秘められた恋が戦後史を変えた。終戦直後の北千島
占守島に殺到したソ連軍との戦闘を軸に、若き日本人女性の愛が織りなす
壮大なドラマ。会心の書き下ろし戦時冒険ロマン。

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日本人でも占守島(しゅむしゅとう)と聞いて、どんな島だったか答えられる人
は少ないだろうな。簡単に説明すると、この島の場所は北方4島のある千島列
島の北東端で、海のすぐ向こうはカムチャッカ半島である。

第2次大戦末期、日本軍はアメリカ戦を予想してのことだと思うのだが、2万人
以上の戦闘経験豊富な兵士がこの島の防備に当たっており、精鋭の戦車連隊
も配備されていたまま終戦の8月15日を迎えた。
日本がポツダム宣言を受諾した後の8月18日にソ連軍がこの島に突如侵攻、
防衛する日本軍と激しい戦闘となったようである。

防衛する日本軍が優位だったのこの戦闘、物語はこの時が舞台になっている。

この物語の言うとおり、占守島があっけなく占領されてしまえば、もしかしてソ連
は一気に北海道まで占領しようと侵攻してきたかもしれないな。

この後、武装解除された日本兵は捕虜となってシベリアに抑留されたことだろう。
何万人もの将兵が、過酷な労働と劣悪な環境の中、故郷を思いつつ斃れていっ
たことだと思う。

さてこの本、主人公が17才の女学生という設定や、とった行動は、けっこう無理が
あるような・・・