南八ヶ岳1day

9時すぎには会社を出て小渕沢駅にスクーターを降ろす。女神茶屋か竜源橋までは迎えにきてもらえることになっているが、途中でリタイヤしたときに備えての保険。役に立つことがなければいいのだが・・・

梅雨入りしたばかりだというのに12日の予報は晴れ。観音平ではこぼれてきそうな満点の星空の中、ビール500mlを一本飲む。ちと足りないような気もするので日本酒も少しだけ飲んだ。どうもこれは余計なような気もしたが・・・11時すぎには寝る。

12:45には起きる。やはり日本酒は余計だったようだ(w
風がとんでもなく強い。予定より少し遅れて1時15分観音平出発。ヘッドランプ2つならこの道は不安もなく順調に登っていく。樹林帯では風もあまり当たらず暑いくらい。途中では甲府方面の夜景が綺麗。満月だったので富士山のシルエットもきれいだ。

明るくなりかけの頃に権現岳へ取り付く。ここまでは何ともなかったのだが、いつもの『眠い眠い病』が出てしまって登りで大失速、フラフラとなる、頭が1割も働いていないよ。こりゃあいかんと思い、仮眠を5分か、長くても10分くらいだったかとってみた。これが大成功で、ここからあとは絶好調になる。おいらはまだまだお子ちゃまなので、睡眠時間が3時間以下で山に登るとよくこういうことが起きるね。



ここは権現岳付近だったかな?キレット越しに赤岳 迫力あるね。

権現岳名物のハシゴ、下りは怖いね。おいらは高いところでも平気なほうだが、ここの下りはさすがにビビるよ。風も物凄く強いし、ハシゴの脚が浮いて揺れているのが目の前に見える。

キレットの登りは絶好調。調子よく高度を上げて行く。微笑みが出るほど楽しく登れて赤岳山頂。



赤岳山頂



八ヶ岳1day、北上か南下か迷ったけれど、北上が正解だね。どこから見ても見える蓼科山はランドマーク、ラスボスに向かって突き進むのみ!しかし蓼科山は遥か彼方・・・

赤岳からの下り、どうもスピードが乗らないね。ただでさえ下りは苦手なのに八ヶ岳は特に走りづらいよ。この後も登りはそこそこでコースタイム比0.65くらいのペースを保てるのだが、下りでは落ち込みが激しすぎる。気持ちと違って脚が出ないよ。そういえばここのところ、下りではのんびりしていたんだっけ。普段から下りはもっと鍛えよう。
先はまだまだ長いので、はやる気持ちを抑えて一定のペースを保つようにする。

硫黄岳山荘周辺は何回見てもいい景色だね。おいらは八ヶ岳の中でも、横岳から硫黄岳山荘、硫黄岳のへんが一番のお気に入り。もう少しすればコマクサも見れるだろう。

途中、すれ違った3人組に『ツクモグサ』を見かけたか?と聞かれる。おいらは高山植物のことはまったくわからないよ。『ツクモグサ』どころか、なんか花の一つでもどこかで咲いていたっけ?
↑ こんな程度です・・・

この人たちは『ツクモグサ』を見るためにわざわざ登ってきたという。「出会えるといいですね」と声をかけ先へ進む。


天狗岳へ登る道も気持ちがいいね。ここもいいトレイルだ。



天狗岳へ向かう。

天狗岳山頂から眼下に広がる北八ヶ岳の原生林はいい雰囲気だ。蓼科山もここまでくるとだいぶ近くなってきたと感じる。ここまで想定タイムよりは30分ほど遅れているが、序盤でペースを抑えてあるので疲労度は少ない。ここから麦草峠まで少し急いでみるか。

しかしここからで大きく予定が狂ったよ。黒百合ヒュッテに向かわずに直接中山峠に向かったけど、これが大失敗だったようだ。ここの登山道は深い雪で覆われ、真ん中を通れば踏み抜いてしまう。脇はコケが凍った氷に行く手を阻まれて滑る滑る。コースタイム40分のところ60分以上でっせ・・・平らなところでも、前日の大雨のせいか、それこそ『どこまで続く 泥濘(ぬかるみ)ぞ』どうにもならん。コースタイムよりはるかにかかって高見石小屋へ到着する。ジュースを買って小休止。しばし思案する。
天狗岳からここまでコースタイム130分のところ、160分以上もかかっているぞ。こりゃあダメだね。この地点でこの遅れは致命的、蓼科山は断念する。けっこう悲しかったね・・・残念たが仕方がない。これが今の実力だ。

16:52 ロープウェイ駅発のバスに乗って茅野駅へ向かう。バスの車窓から見える八ヶ岳は綺麗だったな。さっきまであの長い長い稜線にいたのだな。
この日は晴れていたけれど陽射しは強くなく、多少風が強かったが、そのおかげで涼しくて暑さは感じなかったな。空気は澄んで山の色や遠くの景色もよく、八ヶ岳1dayにチャレンジするには、望んでもありえない、文句の一つのつけようもない絶好の天候だった。
こんな日に結果を出せないとは・・・・

茅野駅から電車で小淵沢駅、スクーターで車を回収して8時頃帰宅した。
この日よく眠れたことは言うまでもないね。