風が強く吹いている



三浦しをん/著

箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。

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箱根駅伝もの第2弾で読んでみました。

読み始めたが10人のメンバーに大きな違和感が。箱根駅伝を走るランナーとはこういうものではないだろう。甲子園に出場する球児もそうだが、こういう舞台に立てる人というのは、恵まれた体を持ち、他の人が遊んでいる時にも休みなく練習に練習を重ね、親からの投資や周りの期待もあり、何度も悔しい思いをしながら、そうやって鍛え上げられた人の中でも、運も味方した、ごく一握りのものだけが立てる場所ではないだろうか。

それを素人が出場してしまうとは、もうちょっと設定ができないものかね。せめて、「一度は走ることをあきらめたダメ陸上部員達が奮起した」とか。
そういう部分の不満はあるが、そこさえ考えなければ文句なしに面白い本です。こばとし大絶賛です。