それからの海舟



半藤 一利/著

江戸城無血開城という大仕事をした勝海舟は、失業した幕臣の代表と
して、また謹慎中の徳川家代理人として逆風の明治をどう生き抜いた
のか。「勝海舟の明治」を描く。

目次


「本所の勝麟」ぶらぶら記
苦心惨憺の"その日"まで
「虎穴に入らずんば」の横浜行
空しくなった最後の大芝
静岡‐東京行ったり来たり
ふたたび西郷どんとともに
政府高官はもう真ッ平
「薩摩軍が勝つよ」
逆賊の汚名返上のため
野に吼える「氷川の隠居」
「文学は大嫌いだよ」
「我が行く蔵」と「痩我慢」
誰か知る「あひるの水かき」
洗足池の墓詣で


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『それから』というのはもちろん、江戸城無血開城のことね。

おそらくだが、今年の大河ドラマ篤姫では、これから話が進んでい
って、(おいらはほとんど見ていないけど・・・)江戸城無血開城
ついては篤姫が島津家を、和宮が朝廷を動かして、2人の女性が江戸
の街を戦乱から救ったような話になっていくだろうが、残念ながら歴
史的には違うのかな。

おいらが今までに読んできた本のなかでも、この本でとった説と同じ
く、ごく簡単に言えば、勝海舟がイギリス駐日公使パークスと折衝し、
パークスも恭順している相手への攻撃を控えるよう官軍がたに要請し、
これを官軍も承服したことが江戸城無血開城になったと思うな。

この本は半藤さんによる『それから』の『勝っつあん』の半生の話。


ここでは紹介しなかったけれど、2~3ヶ月くらい前に



小説小栗上野介

童門冬二/著

を読んだが、著者は勝海舟をボロクソだったなw
福澤諭吉小栗上野介派は勝海舟が大嫌いなようである。


そうかなあ??

幕臣でありながら、徳川幕府の存続のみでなく日本全体の将来を描くこ
とのできる能力、いろいろな相手との様々な交渉を成功させた能力など
凄まじいよな。
徳川家も結局は認めさせたし、静岡へ移住した幕臣によるお茶の生産を
成功させたりと、ホント素晴らしい人物に見えるがなあ。