日本国債 上下




幸田真音/著

一枚の領収証から始まる迫真の経済ドラマ。総額600兆円を超える長期
債務はどうなる?国民にとって重大関心事でありながら、得体の知れな
国債をテーマに、卓越した構想力と取材力を駆使して、スリルとサス
ペンスに富んだ迫真の経済小説。書下ろし傑作長篇。

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証券会社でも、日本国債を扱う部門はわりと地味な存在なのかなと思って
いました。大きい金額も動くし厳しい世界なのだな。
面白い小説でありながら国債の仕組みも勉強できました。まあ、庶民には
縁がない世界だけどね。
こういう分野の本にしては珍しく女性が書いているのだが、女性ならでは
の視点も随所にみることができたしとても楽しく読むことができました。

それにしても、この国債という国の借金をいつどうやって国は返していく
つもりなのだろう。景気が上向いて税収が上がることを見込んでいるのだ
と思うけれど厳しそうだな。

前にも書いたことがあるが、たいがやたくみの次世代に莫大な借金を背負
わせるのは心苦しいし、無責任さに怒りを覚えるな。