江戸市中に組織された町火消を束ねる頭、を組の新門辰五郎。
気風がよくて、豪胆そのもの。ひょんなことから御三卿一橋家の慶喜、
後の十五代将軍徳川慶喜と知り合った。
頻繁に出入りするようになった彼は、屈強な子分たちを率い「殿さん」
の身辺警護を買って出、最後まで佐幕派の義理を守り通した。慶喜と
市井の侠客新門辰五郎との交情を軸に、荒れ狂う幕末の人間模様を描く。
大好きな半藤一利さんの本。
半藤さんの著書は第2次世界大戦当時のノンフィクションものばかりだ
と思っていたのだが、小説を見かけたので借りてみた。
新門辰五郎という人についても実在の人物であったのか、創作なのかも
知識がないまま読んでみたけれど、実在だった人で、なかなか波乱に満
ちた人生を送った人のようだな。一橋慶喜(徳川慶喜)と知り合ってか
らの人生後半はすごいな。
一橋慶喜が上洛の際には子分をひきつれ屋敷の警護にあたるなど、任侠
の親分にしては普通なら考えられないし、その後も活躍(?)が凄い。
もちろん小説なのでどの程度史実に忠実なのかはわからないが、激動の
時代、一橋慶喜から見た日本の情勢と、一庶民からの目線で見たものが
よく織り込んであり楽しく読めました。
ほかにも半藤さんの小説借りてみよっと。