ワークライフバランス社会へ



ワークライフバランス社会へ
個人が主役の働き方

 
人名 大沢 真知子/著

展望のないフリーターや派遣社員の増加、正社員への過重な労働…
機能不全を起こしている正社員=組織人間という組織中心の会社や社
会ではなく、働くことや生きることの意味を問い直し、働く人間=個
人が中心となったワークライフバランス社会ではないか。

目次


序章 プロローグ
第1章 いま日本社会に何がおきているのか
第2章 雇用神話の崩壊
第3章 正社員を問い直す
第4章 働くことに対する意識の変化
第5章 経済のグローバル化と社会制度
第6章 ワークライフバランス社会を展望する
終章 実現へむけて

最近、耳や目にする『ワーク・ライフ・バランス』という言葉、
筆者はこの研究に関して日本では第一人者らしい。


今の日本の社会人の労働環境ってどんなだろう?会社ごとに社
員に対しての考え方も大きくちがうので一概に言えないが、こ
ういう会社は多いのでは?
世の中こんなに単純じゃないけれど、簡単に言うと、
昔は3人でやっていた仕事を、1人リストラし、残った2人で
3人分を片付けていく。残業手当ては頭打ちされ、サービス残
業はあたりまえ。
リストラされたほうは正社員として雇用してくれるところもなく
人材派遣会社を通じての3ヶ月契約。

会社は正社員はほとんど募集はしなくて、新人を採用してもとこ
とん使いつぶしていく。新人はすぐにやめていきフリーターに
なる。
やめていった新人やリストラされた人は、年金の掛金も払えない
ので、年金制度を支える人も少なくなっていき、やがては受給年
齢の引き上げや、支給額の減額になっていく。

(いくらなんでも単純化しすぎかw)

近年の企業は業績好調のところが多いようだが、これには社員
サービス残業や、人材派遣会社、パートを多く雇用などして
人件費を削りっての、いわば個人の犠牲によるところも多いの
では?と思ってしまう。

バブルの崩壊後、苦しんでいた日本の企業が浮かび上がるには
こういうことは今までは必要だったということにしておこう。
(簡単だなーw。)しかし、これからは帝国陸海軍からの伝統
であった人材の使い捨てを改め、こんな資源のない国の唯一の
資源、『人間力』を大切に育てていきたいなー。

おいらは昔から、労働環境においては『ワークシェアリング
的なものを理想にしていた。
簡単に言うと、2人で残業をしながらする仕事量であるならば、
会社は3人を正社員として雇用する。
お父さんは平日は早く家に帰って、子供の宿題をみたり、キャ
ッチボールをしたり、自分の体を鍛えたり、趣味の時間を持っ
たりできる。有給もすべて消化するようにする。
人がいるので女性社員が妊娠したら会社をやめることもなく、
育児休業をしっかりとってもらって、また会社に復帰してもら
う。

こんなワークシェアリングの考え方だが、会社は福利厚生費が
増えるであろうし、個人では残業手当もなく収入も減ってしま
う。労働生産性が低下するので企業の国際競争力が落ちるなど
ということでうまくはいかないようだが、ホントにそうなのか
なあ?。

会社からしても、社員には朝から夕方までサボることなく全力
で仕事をしてもらう。(8時間労働なら気持ちを維持できるだ
ろう。)時間内はコキ使っても、社員を定時に帰せばリフレッ
シュしてくるだろうから、また頑張ってもらえばそのほうが能
率いいし生産性は上がるような気がするのだが。

今のように夜遅くまで残業して、家には眠りに帰るだけ、翌朝
には満員電車で通勤なんて、いい仕事ができるわけがないとお
いらは思うのだが、これはきっと素人考えなのだろうか。

収入が減る分は、無駄な出費を極力なくし、昼食はみんな手作
りお弁当、夜は自宅で摂る。
物に関しても、今までよりは時間ができるだろうから手間を少
しかけてリサイクルや修理を考えて、大事に使う。

あ!これだと外食産業や大量生産大量消費企業が儲からないか
・・・。

そんなことを考えていたことがあったけど、この本はおいらが
普段疑問に思っていたことをほぼ網羅していたなあ。
内容についてはみなさん読んでみてのお楽しみ。

ここのブログでは本を読んだ感想とかの☆とかはつけないよう
にしていたけど、間違いなく5つ星の本でした。

おいらが大統領だったら、そうだなー。

社員は週40時間以上の労働は禁止。
企業は週40時間以上社員に労働させるのであれば、同等の金額
を税金として国庫に納入させるなんてどうだろうか。
社員に残業させるくらいだったら、新たに人を雇ったほうが得と
なるような制度が必要かなー。
また、サービス残業なんかさせていることがバレたらキツイお仕
置きがまっているのである。
雇用する場合も、パートではなく正社員なら法人税をある程度減
免とかできないのかな。