五十年目の零戦 鳴海章
鳴海章さん、初めて読んだがわかりやすくいい本を書くね。図
書館でなにげなく手に取り借りた本だったけど航空小説が得意
らしい。本棚に他にも「それらしき」タイトルの本がたくさん
あった。これからは読んでみようっと。
零戦についての本はいくつも読んでいるけれど、こういう切り
口とは意外だった。終戦直後に隠した機体を現代に甦らせよう
とする人たちの物語。
おいらは古くなったオートバイや車をレストアするのに興味が
あり、いつか年をとったらチャレンジしようと思っているけど
零戦とはスケールがでかすぎて無理だなあ。河口湖のほうに、
自分で博物館を持っているお金持ちの人が零戦を所有していて
たまに公開しているという話は聞いたことがあるけれど、おい
らはオートバイのレストアくらいが身分相応のようで。
物語は最後がちょっと消化不良気味。これから読む人がいるか
もしれないのでネタバレはやめておくがエンジン音のシーンは
見たかったな。
今までも展示してある零戦は何度か見たことがあるけれど、当
然ながらエンジン音は聞いたことがない。戦記のビデオを見る
と音が凄そうなのでかねてより機会があれば音を聞いてみたい
と思っていたが、ついに2001年にその機会が訪れたかたと思っ
た。
2001年秋、和歌山県の南紀白浜空港において「ジャパンエアシ
ョー2001」というのが開催される予定で、零戦やコルセアが飛
ぶというので行くのを楽しみにしていたけれど、9月の同時多
発テロの直後ということで延期になり、その後も再延期になっ
たものの結局は開催される見通しはなくなったようだ。もう見
るチャンスはないのかな。残念な出来事だった。
本においても大空を飛ぶ零戦の様子を再現するとまではいかな
くてもエンジン音まではなんとかしてほしかったなあ。
この本の冒頭にでてくる「親父」があだ名の厚木基地の司令官、
誰かすぐわかってしまうような変人はおいらだけではないはず。
おいちゃんはわかるよね。反乱をおこしかけたあの人です。