終わらざる夏 上下
浅田次郎
1945年8月15日 戦争が、始まる。
第二次大戦末期。「届くはずのない」赤紙が、彼を北へと連れ去った…。あの戦いは何だったのか。着想から30年、浅田次郎が北の孤島の「知られざる戦い」を描く。人間の本質に迫る戦争文学。『小説すばる』連載を単行本化。
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ちょうど終戦の日に読み終わりました。
今から読む人もあるので、ネタバレする内容はやめておくが、個人的には全体として残念である。『赤紙を配る側の視点』など随所に氏ならではの素晴らしいところがいくつもあるのだが、登場人物の背景を紹介するのに多くの紙面を費やしすぎなような。それが、「届くはずのない」赤紙の3人だけならばまだしも、次から次へと丁寧に・・・ちょとダレ気味かも。それらがだんだん終局に向かって盛り上がってくるならいいのだが、あっさりと終わってしまったし。
ソ連が占守島に侵攻した背景は、この本のように戦後の分割交渉を有利に運ぶのに自国の兵士の死が必要だったのだろうか・・・そうではないと思うがのう・・・
今、読んでいます。おいらの夏休みは(といっても3日間ですが)この本で過ごします。
北方領土の4島返還とか2島返還とか言っているが、本来ならばこの占守島まで返還してもらいたいものだ。