虚無の道標

森村誠一/著



老舗のデパート・都屋百貨店の営業企画室に勤務するエリート社員・有馬正一が中心になって推進した支店系列化計画は大成功を収めたかにみえた。が、喜びも束の間、都屋百貨店の強引なやり方に抗議して小売店の老夫婦が飛び降り自殺をし、有馬はその責任をとり会社を辞めることになった。さらに傷心の有馬を襲ってもう一つの事件が…。人間の自己回復を描く感動の力作長篇。

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今年の夏山は、室堂から三俣山荘を経由して湯俣まで下る予定を考えてみた。下山ルートは竹村新道を下るのだが、その時に伊藤新道の存在を思い出し、通行可能かどうかネットで調べてみたところ、通行はほとんど無理のようだが、この本の存在を知った。

これからは山の本を読んでいこうと思っていたところなので、北杜市の図書館から取り寄せて借りてみる。
今までは南アルプス市甲斐市の図書館にある範囲で借りていたけれど、『山梨県図書館情報ネットワークシステム』で検索して、他の市の図書館に在庫があれば、地元の図書館に取り寄せて借りることができるしくみになっているんだな。初めて試してみた。

すごいよこの本。なにがかというと、社会情勢や男女間の感情、ものの考え方などが今の時代とかけはなれている。初版は1969年だものな。おいらの生まれた年とそんなに変わらない。

さて、本の紹介から伊藤新道がどう結びつくのか不思議だよね。主人公や登場人物のすべてが今では考えられない行動で、つっこみどころが満載だけれどそれなりに楽しめました。設定を変えれば今でも充分使える物語ですね。