花散らしの雨  みをつくし料理帖


高田 郁

元飯田町に新しく暖簾を揚げた「つる家」では、ふきという少女を下足番として雇い入れた。早くにふた親を亡くしたふきを、自らの境遇と重ね合わせ信頼を寄せていく澪。だが、丁度同じ頃、神田須田町の登龍楼で、澪の創作したはずの料理と全く同じものが「つる家」よりも先に供されているという。はじめは偶然とやり過ごすも、さらに考案した料理も先を越されてしまう。度重なる偶然に不安を感じた澪はある日、ふきの不審な行動を目撃してしまい――。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第二弾!

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前に読んでみてよかった『八朔の雪』の続編。
主人公をとりまく人間模様もいいし、四季の移ろいを感じさせる料理の数々もいいね。前作同様、ほんわかした読後感に包まれました。

『俎橋から ほろにが蕗ご飯』
『花散らし こぼれ梅』
『一粒符 なめらか葛饅頭
『銀菊 忍び瓜』

我々現代人は、スーパーに行けば一年中買うことのできる野菜がいつでもあるので、このような季節感を忘れかけているよね。