カナリア諸島たびたびの旅



斎藤慶一郎/著

カナリアの時の流れは、流れていないのではないかと思うくらいゆったりとしており、それぞれがそれぞれの進みたい方向に勝手に進んでいる感じだった。赴任当初は、多くのことを学ぼうと鼻息の荒い私であったが、このたゆとう流れに身を任せていると、そんな意気込みはどこかへ消えてしまった。青い空、ヤシの葉擦れ、白い波、カフェ・コン・レーチェの香り、赤い花、人々の笑い声、そしてゆるやかに流れる時間…カナリアの青い空の下で、潮風に吹かれて燦燦とした太陽の光を浴びていれば、暗い気持ちなど吹っ飛んでしまうだろう。アフリカ大西洋沖に浮かぶ常春の幸福な島々、カナリア諸島で過ごした1000日。

目次

第1章 カナリア諸島での日々(カナリアへの第一歩
ラス・パルマス日本人学校
車の窓からのぞいたカナリア ほか)
第2章 カナリア諸島への旅(たびたびの旅
海千山千 グラン・カナリア島
悲しき思い出 テネリフェ島 ほか)
第3章 カナリア諸島との別れ(カウント・ダウン
ハッピー?ニッポン)

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カナリア諸島』って、皆さんどこにあるか知っている?あまり名前も聞き慣れないこの島の場所、おいらは中学生の時には知っていたよ。
というのも、おいらは中学生の頃、大滝詠一さんのアルバム、 『A  LONG VACATION』に出会いました。それから今までにこのアルバムはいったい何百回と聴いたことだろう。最近でもたまに聴くことがあるくらいだから、よっぽど好きなんだよな。
このアルバムの中に『カナリア諸島にて』という歌があるので、どこにあるのだろうと地図を調べたことがあったのだった。
そんなこともあって、タイトルを見て借りてきました。

うーむ、ここでまた聴き直しても名曲だなあ。
http://jp.youtube.com/watch?v=2jNVjKCJMHE

歌手:大滝詠一
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一

薄く切ったオレンジをアイスティーに浮かべて
海に向いたテラスでペンだけ滑らす
夏の影が砂浜を急ぎ足に横切ると
生きる事も爽やかに視えてくるから不思議だ
カナリア・アイランド
カナリア・アイランド
風も動かない

時はまるで銀紙の海の上で溶け出し
ぼくは自分が誰かも忘れてしまうよ
防波堤[ぼうはてい]の縁取りに流れてきた心は
終着の駅に似てふと言葉さえ失くした
カナリア・アイランド
カナリア・アイランド
風も動かない

あの焦げだした夏に酔いしれ夢中で踊る
若いかがやきが懐かしい
もうあなたの表情の輪郭もうすれて
ぼくはぼくの岸辺で生きて行くだけ…それだけ…
カナリア・アイランド
カナリア・アイランド
風も動かない
カナリア・アイランド
カナリア・アイランド
風も動かない

あ、この本ですね。カナリヤ諸島日本人学校に赴任した先生のお話ですね。