僕たち「海外組」がホンネを話した本



フロンティア精神に学ぶ世界で勝つためのサッカー論

福田健二リトバルスキー森山泰行ヨンセン
城彰二財前宣之・竹中穣・廣山望・樋渡群・志垣良
橋本卓・和久井秀俊・平山相太千葉和彦・バドゥ・ビエイラ
シジマール松原良香片桐淳至前園真聖石田博行
深澤仁博パク・カンジョ木村哲昌・谷川烈・小曽戸允哉
直川公俊・ジョージウェア・吉崎エイジーニョ

世界と日本の両方のサッカーを知る選手&指導者へのインタビュー集。
世界各国で展開されているサッカーとは? その国の人々にとっての
サッカーの位置づけとは? 世界の中での日本サッカーの立ち位置が
見えてくる。

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うん、これは面白い本だね。
海外に行った選手たちが、日本のサッカーと世界のサッカーでは何が違い、
何が日本の特徴なのか、世界相手に勝ち抜くには何が足りないのか、肌で
感じたことを言っている。(3人ほどVF甲府に在籍していたね)

日本人の特徴って何だろう。
世間の人は、日本人はスピードに優れていると勘違いしている人も多いけ
れど、プレミアリーグの試合を見てわかるように、世界のサッカーのスピ
ードは桁違いだよな。けっしてスピードは速くない。そう思っていたのだ
が、この本の人たちによると、『一瞬のスピード』や『俊敏性』に関して
は日本人は優れているようだな。

あと、おいらが強く思うことは、日本人は練習や、相手からのプレッシャ
ーが少ないところ、スピードがでていない場面では素晴らしいテクニック
を見せる選手も多いのだけど、トップスピードや相手からのプレッシャー
があると同じようなプレーはできなくなってしまう。世界の一流プレーヤ
ーは、このへんがとにかく凄いね。

日本人の特徴ってやはり『勤勉さ』と『集団での戦術』なのだろうな。F
Wから守備をするためにボールを追ったり、中盤でも汗かき役を厭わない
勤勉さはあるよな。

何人も口を揃えて言っていたけれど、島国日本の社会では、いいFWは生
まれづらいのだろうか。たしかに優れたFWはある程度独善的なプレーも
必要だよな。バレーなんか、何が何でも自分で決めてやるというスタイル
だったもんな。日本は小さいうちからこのようなプレーをやると指導者に
怒られてしまうだろう。
日本のFWは自分が得点のチャンスでも、より可能性が高いと思われる選
手がいると判断するとパスしてしまう。これがいいか悪いかわからないが、
あまりいい結果に結びついていないような気がするね。

日本にはこのような民族的な特徴がはっきりあるのだが、どうもジーコ
督の指揮していた時代は、目指す方角がまるで違って、無駄だったような
気がしてしかたないなあ。

この本にはいくつもいい話が出てくる。一例を挙げると、海外でプレーして
活躍している選手は、たとえ自腹でも自分のチームに日本の若い選手を招い
たり、推薦するなどしたほうがいいというもの。可能性のある若い選手は、
10代のうちに一度は海外に出てみる必要があるだろう。

サッカー好きな人はぜひご一読あれ