河畔に標なく   船戸与一



軍事政権下のミャンマーで繰り広げられる、200万ドル争奪戦。裏切りの
夜を生き抜き、この国を"永住の地"とし得るのは誰か?

ミャンマー山岳地帯に200万ドルを積んだヘリが墜落。同じ頃、脱獄犯も
この一帯に逃げこんだという。情報を得て、密林に足を踏み入れる男たち。
その胸にあるのはビジネス、民族独立の悲願、己の保身。逃亡と追跡の果
てに、それぞれが手に入れたものは―。


『河畔に標なく』の『河畔』とはミャンマーを流れる大河、イラワジ河の
ことである。
太平洋戦争当時の日本陸軍の本を読んだことのある人ならば、イラワジ河畔
では何万人もの将兵が無駄死にしていることをご存知だろう。あの無謀な
インパール作戦に関する本は、何度読んでも強い憤りを感じるなあ。

この小説は船戸センセイの、軍事政権下でのミャンマーが舞台になった物語。

最近は体がお疲れ気味で、夜読み始めても数ページ読んだところで意識を
失ってしまい、なかなか先へ進まない・・・