冬の喝采



黒木 亮 (著)

北海道で走り始めた一人の少年は、一般学生として早大に入学し、2年生になる直前、準部員として競走部に入った。それは30年の時を超えた宿命のなせる業だった。早稲田大学競走部員として2年連続箱根駅伝出場!自伝的長編小説。

国際金融の世界で活躍し、自分の体験をもとに優れた経済小説を書く黒木さん、ここでは紹介していないと思うけど、こんな本も読んでみたり最近のお気に入りの人なのです。



けっこう難しかったけど・・・

ご本人の経歴は知らなかったのだが、大学時代はなんとなんと、早稲田で箱根駅伝を走って、あの瀬古利彦からタスキを受けた人なんだな。卒業後は銀行に入行し、いくつかの会社で活躍され、現在はロンドン在住しているという。

http://ja.wikipedia.org/wiki/黒木亮

それにしても凄い経歴だなあ。

この本は黒木さんの大学を卒業するまでの自伝的な小説だね。小説とはいえご本人も実名で出てくるし、走った記録などを記したノートをもとに書いているようなのでほぼ実話なのだろう。

さて、名物といわれた中村監督だが、実際にもずいぶん変わった人だったのですね・・・あとから部外者が読んでいる分には本当に笑えるけれど、実際には選手たちはずいぶんたいへんだったことだろう。これからの時代、もうこんな人は現れないよね。選手を殴ることは絶対にないのだが、そのぶん自分を殴ってしまったり、地団駄を強く踏みすぎて骨折してしまったという・・・

また、著者は早稲田大学法学部で、勉強のほうも一生懸命やっている姿がいい。英語を覚えるためにいつも聞いていたようだ。テスト前には相当な苦労もあったとも書いてある。

こばとしオススメの一冊でした。