ゼフィラム



楡 周平

日本自動車工業社長・牧瀬亮三は、CO2を劇的に削減する新型車開発のために、アマゾン産サトウキビを利用したバイオエタノールハイブリッドカーを着想するが……。CO2削減に専心する牧瀬たちの苦悩と戦いを描いた、壮大な最新ビジネスモデル小説。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

先日、電気自動車の本を読んで、電気自動車の時代はすぐそこまで来ていると感じた。現在のハイブリットなんていうのはそれまでの過渡的なもの、電気自動車の生産が軌道に乗れば、すぐにとってかわられると思っていたのだが、事はそう簡単ではないらしい。
電気を充電するためのインフラが、まるでととのっていないのだな。電気自動車というと素人には究極のエコカーのような気もするが、これも間違いらしい。電気を発電するのにCO2の排出量は凄まじく、前排出量における発電のための排出量の割合は46%にもなるという。まさか原発を世界のあちこちに建てまくるわけにもいかず、こりゃあけっこう困った問題なんだな。

さて、この本では一人の女性社員がアマゾン産サトウキビを利用したバイオエタノールハイブリッドカーを着想して物語は進んでいくが、実際の世界ではこれからの時代、どのような展開が待っているのだろうか。