最も遠い銀河 (上) (下)

最も遠い銀河〈上〉
白川 道



晩秋の小樽の海で、一隻の漁船の網が女性の変死体を引き揚げた。その死体の首には、なぜか銀製のテッポウユリのペンダントが残っていた。懸命の捜査も虚しく、事件は迷宮入り状態と化した―。一方、東京の地で、新進気鋭の建築家として名を馳せている桐生晴之。誰もが振り向くほどの容貌、権力に媚を売らない孤高の姿、友への熱い友情。周囲から一目も二目も置かれる晴之だが、その過去はベールに包まれていた。そして、彼の首にテッポウユリのペンダントが吊るされていることを誰も知らない。人知れぬ哀しい純愛とたぎる怒りを抱え、建築家としての成功を目指す晴之。彼と小樽の死体遺棄事件との間には、一体なにがあったのだろうか。


最も遠い銀河〈下〉
白川 道



非業の最期を遂げた美里との約束―。小樽の街を見下ろすホテルを設計することは、晴之の悲願だった。建設の発注元は、巨大企業「サンライズ実業」。学生時代の親友が働くその企業には、美里を死に追いやった憎んでも憎み足りない御曹司がいる。しかも、その男の妹は美里と瓜二つなのだ…。その女への恋心と、同世代の建築家の中で頭一つ抜き出た学友への嫉妬心を押し隠し、金と欲が渦巻く「サンライズ実業」の中枢に食い込もうとする晴之。運命が仕組んだ糸に翻弄されながら、たった一つの夢のために己の全存在を懸けて戦った男が辿り着く、衝撃と哀愁のラストとは。


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作者さん、ちょっと書きすぎてしまったかね。
新進気鋭の建築家にどのような過去があり、どのような道を進んでいくのか。読みすすめていくうちに興味はでてぐんぐん引き込まれていくのだが・・・

警察は執拗すぎるし、ライバルはなんでそうなってしまう?
結末も簡単に予想してしまうようなものだったし、読む人を泣かせよう泣かせようとしているのがありありと。
そして最後には誰も救われることもなく・・・