笹本 稜平
かつて傭兵仲間だった親友のジャズピアニストが怪死した。その謎を追ううちに、男はアフリカ某国の内戦に乗じたとてつもない陰謀に巻き込まれる…。日本、米国、アフリカを舞台に展開する本格国際謀略ミステリー。
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主人公は日本人でフランス外人部隊出身の元傭兵。傭兵時代の戦友の謎の死を追ううちに大きな陰謀に巻き込まれていく。これって今までにいくつかあったような設定なんですが・・・今野敏さんにもあったかな。
アフリカの国の設定もフレデリック・フォーサイスの名作『戦争の犬たち』を彷彿させるかな。山中での戦いはJ・Cボロックの『樹海戦線』を感じさせるかね。まあ、だいぶスケール的には小さいけれど。
この本の出だしは本当に楽しかったよ。物語はスピーディーに流れ、次の展開はどうなるのだろうとページをめくるのが楽しみだった。
今まで『戦争の犬たち』も『樹海戦線』も今までに何回読んだことか。おいらはこういう世界が好きなのでこの本にものめりこんでいったよ。こりゃあ自分の中で大ヒットしたかなと思ったけど・・・
どうも最後のほうがいただけないね。ここまで話を複雑化させなくても。もっとシンプルにまとめてくれたほうがよかったと思う。かなり無理があるよ。
最初がよくて期待が大きすぎたぶん、消化不良の一冊となってしまったのは残念だった。