約束の地



樋口 明雄/著

法で猟を規制され不満を募らせるハンターたち。
密猟でもいい。「害獣」を殺して欲しいと願う農家。
ヒステリックに動物愛護を叫ぶ団体。
親の利害関係が生み出した子供の苛め。
どうせエリートの腰掛け人事、と冷ややかに自分を見る部下。
そして、人間を餌にし始めた巨大野生動物。心の闇が生み出した死亡事件。

──そんな四面楚歌の地に、男は孤独癖のある娘と二人でやってきた。

相容れぬ者が共に生きることを目指し前進する「普通の男」の葛藤と闘い。
南アルプスを舞台に繰り広げられる、興奮と感動の書下ろし一大巨編!

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北杜市に在住の樋口明雄さんの新刊。
こばとし大絶賛します。これは素晴らしい出来栄えと思いますよ。この本はぜひ皆さんにも読んで楽しんでもらいたいと思いますね。なのでここでは多くを語りません。

おいらは昔から『ハンター』が大嫌い。無抵抗の動物を撃つのではなく、「ハンターはハンター同士で撃ち合っていればいいのに」と思っていたっけ。きっとスリル満点に違いない。なにしろやるかやられるかだからなw。

近年においては山間部では農作物に獣害の被害が大きく、耕作放棄地も激増しているね。市町村で駆除の許可もどんどん出しているのだが、ハンターも少なくなってなかなか効果的な獣害駆除もできていないよね。

この野生動物の問題は、農業、行政、動物愛護、ハンターなど様々な人たちの考えが色々とあって、それぞれ難しい問題を抱えていて解決も難しいんだよね。おいらは仕事柄、普通の人よりはこの分野には多少は詳しいつもりですが、樋口さん、ここまで問題に切り込んで内容も正確と思いますしホントよく書けていると思います。

この本にでてくる地名は『八ヶ岳市』ですが、他のほとんどの地名は実在で、地理に明るい人ならそれぞれの場所が想像できるのもこの本の楽しいところですね。登場人物も、地元の人は甲州弁がふんだんに使われていますね。こうやって文字にしてみると甲州弁ってまったく美しくないのが笑えるね。

ちょっと気になるのは、『北杜市アルファブログ』を前にちょっと読んだときにも感じたし、この本でもそうだけど、樋口さん、地元政治家への圧倒的な不信感を感じることができるね。自分の住む町を良くして行こうと活動されていると思うのだが・・・・ 『田舎の論理』をよく知るおいらには、ちょっと危なく心配する点もあるね。

ページ数も多いけど読み出せばあっという間ですよ。楽しいひと時を過ごせるに違いないです。おすすめします。

とにかく恐ろしいのは獣ではなく人間、この部分にとても共感できます。