日本の食料自給率について その1

今、日本の食料自給率は何%か知っていますか?今までは『40%』あった自給率も平成18年度からは『39%』になってしまいました。

現在は『世界的な食料の奪い合いがすでに始まっている』状態で、国際的に穀物の値段が急騰していますし、ここでは今さら述べませんが、様々な理由から「日本はこのままの自給率でいいのかよ!」と誰しも感じてはいるとは思うのですが、なかなか食料自給率を上げていく対策となると難しいですよね。

食料自給率を上げていくには、パン食をやめて米を多く食べ、肉を食べる量を少なく、国産野菜を多く摂ればいいことは誰でも想像はつきますが、現在の日本のライフスタイルでは無理のように思えてきます。
それは、今の、そしてこれからの日本で米の消費が飛躍的に伸びるとは考えづらいからです。理由として考えられることは、全国の4300万世帯のうち、独居世帯が30%近いともいわれていますが、この人たちのうち、お年寄りか、米がよっぽど好きな人でないと普段は米を炊いてまで食べることは少ないと思うからです。

米を食べるにはトーストよりもはるかに面倒でしょう。買ってくるのも重いし炊き上げるにも準備が必要です。保存も炊飯ジャーに入れたままでは品質が落ちますし、食べたいときに食べることができません。(我が家は炊き上がりに一回食べたら、あとは冷凍保存ですが)
それに、米を食べるにはご飯茶碗、みそ汁、お茶、の食器、おかずの皿などと洗い物も多くなるでしょう。普通の独り暮らしの人はまずここまではやらないですよね。
一方、トーストなら買ってくるのも軽いし、トースターに入れるだけでいつでも食べられます。サラダとヨーグルトでも食べてコーヒーでも飲めば忙しい日本人の朝食はこんなもんで充分でしょう。洗い物も少ないですね。

これでは独り暮らしの人だけではなく、夫婦で共稼ぎの家庭でも朝食に洋食を選択してしまうのはあたりまえのことです。洗い物の食器の量も4人家庭なら4倍ですからね。
大の和食党の我が家でも(特にたくちゃんが大大大の和食党)、パン食のときもたまにはあるのですが、準備や後片付けなどの手間のかからないこと、和食とは比べ物にならないです。

現代の日本の若い世代の人は忙しいです。これからの日本は、若い人の給料が上がらず、物価も益々高くなっていくでしょう。子供にも教育費がかかりますし、平均的な夫一人の収入では家計を支えていくのは苦しいでしょうから共稼ぎの家も増えていくことでしょう。
また、核家族で今まで4人でくらしていて米を食べていた家族も、子供が2人とも就職や結婚で出ていってしまえば、残るのは老夫婦二人になってしまいます。老夫婦二人では米を食べる量は少なさそうだし、出ていった子供二人のそれぞれの家ではトーストを食べていることが多いでしょう。(かなり主観的ですが・・・)

現代の日本の、この社会構造があってこの自給率があるのでしょうから、もうこれから米の消費を伸ばしていこうというのは無理があるように感じます。
しかしいまだに農政は、『米を食べましょう、消費拡大しましょう。』ですし、施策も『大規模化などによって生産コストを下げる』ですし、『品質を高めて美味しい米を作って、消費者にPR』していこうという農政から脱却できていないように感じます。人にまではライフスタイルを変えるのを強要するのは不可能ですね。

さて、問題はこの『トースト族』(勝手に言葉を作るなよ)の人たちなのですが、この人たちに『何か』を変えてもらわなければなりません。この人たちも『世界的な食料の奪い合いがすでに始まっている』現在、自給率がこのままでいいとは思っていないでしょうが(関係ねえと思っている人や無関心の人も実は多いと思うのですが・・・)、手軽さを考えるとなかなか変えていくのは難しいですね。さて、食料自給率を上げていくにはどうすればいいのでしょう。