日本の食料自給率について その2

おいらは、ここのところの対策について自分なりに考えてみたので、ここで書いてみようと4月からチビチビこの文を書いていたのですが、世の中似たようなことを考える人もいるのか、誰でも考えつくことなのか、先日見かけた報道で、おいらが考えていたことのほぼすべてが書いてありました。

それは、『21世紀新農政2008』
http://www.maff.go.jp/j/shin_nousei/pdf/01.pdf

こちらを見たほうが詳しいのでここでは書きませんが、米粉をパンや麺類に活用していくこと、米を飼料米として家畜に与えれば、食料自給率は上がっていくことなどです。
皆さんご存知のように、鶏肉、玉子、豚肉、牛肉、牛乳などの畜産物は、かなりの量が日本で生産されるのですが、飼料のほとんどが外国からの輸入なので、カロリーベースの食料自給率の計算では畜産物の自給率は極端に下がってしまいますね。
畜産のための飼料のほとんどを国内生産できれば、これだけでも食料自給率はかなり上がりそうな気がしますが夢物語でしょうか。
畜産農家は飼料の高騰で経営が苦しくなっています。この部分こそなんとかしたいものですね。

この、『米のトースト』についてですが、技術的に出来るのか、美味いのか、コストがどれくらいかかるのか、小売はいくらになるのか素人のおいらにはまったくわからないですが、消費者に受け入れられるといいと思っていました。

小麦や飼料食物の価格は国際的な投機なことからまだまだ高騰を続けるでしょうが、国内産米をパンにすることや、畜産飼料にするには価格的にはまだまだ無理があることでしょう。
しかし、品種改良で食味よりも『とにかく量がとれる米』を生産でき、国も何らかの価格安定措置を講じればどうでしょうか。主食米よりも飼料米、加工米のほうが収入がよくなれば、普通に考えてみんなそちらを作りますよね。

九州での平成19年産米は、地球温暖化の影響からか高温が続き、一等米の比率が極端に低くなり米農家の収入も激減しました。変わりに今まで低い比率で推移していた北海道は高くなっているようです。このまま高温が続けば九州は品質の高い米の生産には適さない地になってしまうでしょう。それならば、ピンチをチャンスに変えて、多収穫の飼料米を温暖な気候を利用して二毛作を実施すれば狭い日本の国土も有効に利用できるのではないでしょうか。

今は日本の田舎の集落は疲弊しています。お年寄りばかりで限界集落から消滅集落へと進んでいく集落が増加していくことは間違いありません。
水田は農作物の中でも比較的手間がかからないほうです。飼料米を作ることにより収入がかなり増加すれば、街で生活する最近給料が上がらないサラリーマンの息子や、定年を迎えた息子さんたちも水田を復活させるかもしれません。そうなれば遊休農地や耕作放棄地もなくなり田舎は活性化します。
どうです?日本が変わるような気がしませんか?

水田は国土保全や景観保持等、多面的な機能を保持しています。次世代には消滅した集落や、荒廃しきった農地ではない豊かなものを残していきたいですね。

荒廃が進む山梨のような果樹地帯での遊休農地や耕作放棄地は陸稲形の飼料米を畑に植えてみてはどうでしょうか。

もちろんこんな簡単にいかないでしょうが、先が見えない国際情勢の中で日本の中で完結する循環型の社会は作っていきたいですね。


こんな流れを考えてみました。


日本の農家は多収穫の飼料米、加工米を大量生産します。

小麦や飼料の輸入は極端に少なくします。

米製のトーストや麺類を多く生産します。

消費者も安くておいしい(?)米製品を購入します。(苦しい)

飼料米を加工して畜産物の飼料にします。大量に出る飼料米のわらも畜産の飼料になります。コンビニ、食堂などで食べ残した食材も、いっしょに加工して再利用します。

食料自給率は上がります。畜産農家の飼料のコストも下がりました。(ここも苦しい)

わらは畜産の糞といっしょに発酵加工して、水田の肥料となります。

需要があるので(ここも苦しい)遊休農地や耕作放棄地はなくなります。田舎も元気になりました。国土保全や景観保持等も優れています。水田面積が増え、吹く風も涼しく感じます。

となればいいですが・・・。

書いていても、苦しいところがいくつもあるのですが夢を見てみました。w
実際には飼料米買い上げをして、畜産農家に破格の値段で卸すなどどこかの部分で国の財政出動が必要になるでしょうが財政的には厳しそうですね。
しかし国は、減反政策やその他の農業政策にはとんでもない巨額の費用を使っているのです。その分のお金や、いらない農業団体などすべてなくしてしまえばもしかして可能になるかもしれません。

自転車のときにも書きましたが、国民すべてが同じ方向を向いて行動をしたいですね。