マルタの碑 日本海軍地中海を制す



著者名
秋月達郎/著

大正六年(一九一七)、山東半島の青島を管理下に置いた日本は、第一次
大戦の軍需景気に沸き立っていた。一方、連合国側はドイツ潜水艦Uボー
トの攻撃に晒され、甚大な被害を蒙っていた。英国は日英同盟に則り、地
中海への艦隊派遣を要請、政府は巡洋艦を旗艦に駆逐艦八隻からなる第
二特務艦隊を派遣した。
艦隊は輸送船団の護衛、さらには被雷艦船への決死の救出活動を展開、
その奮戦ぶりから、いつしか地中海の守護神と称賛の的となっていった…。
若き日の山口多聞を主人公に、将兵たちの人間模様、世界情勢の俯瞰を
絡めて高らかに謳い上げた日本海軍秘史ロマンの決定版。

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若き日の山口多聞(後に第二航空戦隊司令官ミッドウェー海戦で空母飛
竜で戦死)、小沢治三郎(後に最後の連合艦隊司令長官)の物語。

第一次世界大戦当時、日本も同盟国イギリスの要請により青島要塞を攻
略、戦後にはドイツの植民地だったサイパンなどマリアナ諸島パラオ、ト
ラック諸島を信託統治領として統治したんだよな。
あーあ、太平洋戦争なんか戦わなければ今も国内旅行で行けたのに・・・

今までにも読んだ本の中で、輸送船団の護衛として日本の駆逐艦が地中
海に派遣されたことは知ってはいたが、おいらの知識だと、派遣された艦
隊は対潜水艦の戦いには不得手で、慣れない気候や病気などで倒れる兵
も多く、あまり活躍することなかったような感じだったのだが、この本による
と被雷艦船へ決死の救出活動を行い多くの人の命を救ったのかな。

しかしこの本、どこからどこまでが史実でどこが創作なのかわかりづらいな。
人間模様のところはほとんど創作なのだろう。