日清戦争 秘蔵写真が明かす真実



桧山幸夫/著

日本の民衆は、日清戦争によって初めて国家と天皇を認識し、軍隊を容認し、
日本人であることを自覚する。日清戦争は、日本はもとより東アジア世界に
大きな影響を及ぼした。50年戦争の幕開けとなった日清戦争の本質を明かす。

目次


第1章 朝鮮出兵事件と日朝・日清開戦
第2章 「軍人天皇」と「国民」の形成
第3章 戦争と兵士
第4章 軍事作戦
第5章 日清講和条約と三国干渉
第6章 台湾統治と台湾戦線
第7章 国民動員と「軍国の民」
終章 日清戦争とは何であったか

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太平洋戦争の本はたくさんあるのだが、日清戦争日露戦争の本は南アル
プス市の図書館にはほとんど置いていない。おそらく多くの日本人も、日
清戦争についてはあまり知らないと思う。
この戦争の勝利のあと、日本はさらなる軍拡を繰り広げていき約50年後
には大敗北を喫するのだが、連綿とした歴史の中で、日本があのような道
を歩んでいったのはこの戦争が原点だったのだろう。

しかし、この時代の指導者たちが太平洋戦争当時の指導者たちと決定的に
違う点は、この時代の人たちは国際法をよく遵守し、イギリスをはじめと
して列強の国とねばり強く外交努力をしたように見えることだな。だから
こそ、あまり多くの国を敵にまわすことがなかったのだろう。

太平洋戦争なんて世界中みんな敵にまわして、交戦国は50ヶ国以上でっ
せ・・・

筆者が好戦的な人か反戦的な人かは読めばすぐわかるのだが、この著書
はまぎれもなく後者のほう、大げさな描写もなく事実と思える事柄を
淡々と当時の写真とともに綴ってある興味深い本。

しかし・・・いくらなんでも黄海会戦にはもうちょっとページを割いても
よかったのでは・・・。ほんのほんの少ししかふれていないぞお