漢詩珠玉の五十首 その詩心に迫る



魯迅/著

突きつめて言えば、漢詩は志の現れであり、魂の歌である。それらに託された
詩心に迫るためには、行間に見え隠れする詩人たちの魂を凝視し、その喜びや
悲しみの叫びに耳を傾け、そして感情がほとばしる心の脈動をとらえなくては
ならない。

目次


第1章 人と自然(山水、古跡に託された心望郷のうた ほか)
第2章 風流詩情(最古の恋歌女性の切ない恋心 ほか)
第3章 詠史―歴史をよむ(開公帝王の孤独と亡国君主の悲哀波瀾の時代を生きる)
第4章 言志―人生の真意を問う(遁世と出世心の香り)
付録 漢詩の技法について(「絶句」とは何か「押韻」とは何か ほか)


昔から漢詩には興味があって一時期はたまには読んだけど、最近ご無
沙汰になっていた。


江碧鳥逾白

山青花欲然

今春看又過

何日是歸年

江は碧にして鳥はいよいよ白く 山は青くして花は然えんと欲す
今春みすみす又過ぐ いずれの日かこれ帰年ならん

有名すぎるけど最高だな。景色や色までもが短い中に散りばめて
あり、『情景』が頭に浮かぶようだな。

いつか長い山旅をするときには漢詩の本を一冊持っていって、夕
暮れのテラスで酒でも飲みながらゆっくり読んでみたいものである。

久しぶりに読む漢詩は面白かった。この本をきっかけに、たまには
漢詩の蔵書を読み返してみよう。