ウエンカムイの爪




熊谷達也/著

夏の北海道。動物写真家を目指す吉本は、巨大なヒグマに遭遇する。絶
体絶命の状況に陥ったとき、女が現れ、まるで催眠術をかけるかのよう
に熊を追い払った。女は正体も明かさずその場を立ち去る。
一年後。吉本はヒグマの生態調査の取材で道南を訪れる。調査隊責任者
はあの謎の女、小山田玲子だった。ある日、調査隊のひとりが金毛の熊
「カムイ」に襲われ負傷する。カムイも、そして吉本を襲ったヒグマも
かつて玲子が育てた熊だった。銃弾を受け手負いとなったカムイを追っ
てふたりは再び原野へ。アイヌの言葉では、真の悪神を「ウエンカムイ」
という。カムイはウエンカムイになったのか。ヒグマと人間との壮絶な闘
いが始まる。金毛の熊「カムイ」を追う男の自立と壮大な自然を活写する
力作!第10回小説すばる新人賞受賞作

まあ、なんというか・・・謎の女も謎のままだし、カムイがどうして人間
を襲うようになったのかも謎のままだし。
大学生がカムイに襲われるシーン、けっこう恐ろしやー。
月の輪グマだけでも会いたくないのに、ヒグマに会った日にはどうなるの
か・・・想像したくないですね。